コラム:In the Circle Vol1.
Pitching: Developing Mental Toughness during Practice
「ピッチング:練習中に精神力を鍛える」
ピッチャーはどのように精神力を鍛えたらよいのでしょうか?ピッチャーにとって強い精神力はどれほど必要なのでしょうか?それでは精神力っていったい何なのでしょうか?私の考えでは、「落ち着いていられる」「状況をよく理解し、”ゾーン”にたどり着くこと」です。言い方を変えれば、自分自身と最高のレベルでプレーしているときの自分の能力を総合的にコントロールできることです。スポーツ選手が精神的に強くない場合、精神的ばかりでなく、情緒的に、また肉体的も実力を十分に発揮できない傾向にあります。小さなことが大きな問題になったり、注意散漫になったりするのです。そんなことになったらピッチャーは自分の能力を発揮することはできませんし、チームもまた同様です。だから精神面の強さはとても重要なのです。
精神面を強くするために練習に取り入れることができる、2,3の方法をここで紹介してみましょう。そして、指導者の皆さんもこの問題を避けずに選手と話し合ってください。選手達は精神的に強くなれるし、それから行動プランを提示してあげれば、あなたのチームとピッチャーの未来は明るいものになるでしょう。
それでは精神的な強さを身につけるために、ピッチング練習中にどんなことをすればよいのでしょうか?はじめに、すべての状況をあなたにとってよりきびしくすることです。起こりうるべきすべての状況を想定してチャレンジしてみましょう。練習でチャレンジすれば、試合では”公園を歩くようなもの”です。私の場合、練習でむしろ大きなストレスをかけ、練習での失敗から学び取り、試合でよりよい結果を出します。では、どうすればいいのでしょうか?
私は週に1~2回、使い古したつるつるのボールを使います。こういうボールは投げにくく、コントロールもしにくく、特に変化させるのが難しいです。もしあなたがつるつるのボールを変化させることができれば、縫い目のしっかりあるボールなら簡単に変化させることができます。試合でも”悪い”ボールを投げなければならないことが多々あります。そんな時状況に適合することができます。そうです、練習でそういうボールの投げ方を学んでおけば、試合で”悪い”ボール”であってもあまり問題ではありません。
よい結果はよい準備から生まれます。いろいろなこと、すべてのことに準備しておけば、半分は勝ったも同然です。ソフトボールは面と向かって戦うスポーツであるということを忘れないでください。もしあなたが相手よりより多くの準備をして、よりよいプレーをすれば、勝つ可能性は高くなります。たとえ理想的なパフォーマンスでなくとも勝ちは勝ちです。理想的でない状況で勝つことを覚えることはあなたのレベルを引き上げてくれます。
もうひとつの効果的な練習方法は”アット・バット”です。アット・バットとは試合形式のピッチングで、バッターとのかけ引きやすべてのプレーを実際の試合のように行います。これは、ピッチャー、バッター、守備全員によい練習になります。アット・バット練習のとき、キャッチャーとアンパイアをつけ、ストライクゾーンを小さくしてチャレンジしてみましょう。ボール半分ががベースにかかるような場合はボールにします。1ボール0ストライクからはじめましょう。これによってストライクを取るために頑張らなければないません。バッターには自分の持っている変化球をすべて使い、アウトにすることに全力を尽くしましょう。大変ですが、この練習でどこに投げてよいか、どこに投げたらだめか、がわかります。また、この練習はストライクゾーンを外れていても、バッターにいかにストライクに見せるかを教えてくれます。世界の一流ピッチャーはバッターにボールを振らせます。とても簡単に聞こえますが、職人芸です。
アット・バット練習のもうひとつの形は、プレッシャーのかかる状況で行います。ノーアウト3塁とかノーアウト満塁などの状況をつくって守ります。この練習で何点取られたかを毎回記録します。数週間後同じ練習をしたとき、ピッチャーもチームも前よりよくなっていることでしょう。試合中にこうしたプレッシャーのかかる状況になった場合でも落ち着いていられます。チームは”たいしたことない。どうやって切り抜けるかわかっている”という雰囲気になります。これがまさに自分自身やチームから期待する心理的な反応のひとつですね。
覚えておいてください。上達するためにやるべきことは自身にストレスをかけることです。身体的、心理的および情緒的にです。すでにうまくできることをしてもうまくはなりません。しかし、それが人間の本能ですよね!人間は得意なことをやりたがるし、努力しなければならないことは避ける傾向があります。もしあなたが本当にうまくなりたいなら、自分の弱いところを練習しなければなりません。弱点を書き出し、自分に正直になって練習する時間を見つけて練習しましょう。自覚するまでは、それはあなたの弱点ではありません。だから敵と戦うための到達目標がより少なくなってしまいます。
精神力をきたえる次の方法は、練習中に雑音を流すことです。これはむずかしいことではありません。音楽や人ごみの騒音を流して、ピッチャーや守備者はこれらの音を遮断して、キャッチャーやコーチの声だけに集中する練習をします。大きな試合で、ゾーンの状態にあるとき、球場に他に誰もいないように感じます。オリンピックで私は10,000人のフアンが私に声援を送っている-または私にブーイングをしているかもしてません-をまったく意識しませんでした。自分にとって必要のない音は遮断することが重要です。この方法の別の面の効果はどんな状況でもコーチやチームメイトの声を聞けるようになることです。ですから私は音楽を流すことをすすめますが、音楽を聴くのではなく、むしろ聴かないことです。しばらくすると、雑音は遮断できるようになり、聞かなければならないことだけ聞けるようになります。これによってゾーンに達し、プレーやゲームの勝利など集中すべきことに集中できるようになります。
最後に私が触れたいのは、失敗に対する恐怖心についてです。多くのアスリートは皮肉にも失敗を恐れることによって失敗します。そのため、成功するチャンスをえる前に、自身の能力をあきらめてしまいます。心理的にこれはクリアしなければならないとても大きなハードルです。これが私が今回言いたいことのすべてです。なぜこのテーマを最後に述べたかというと、ニューヨークヤンキースのクローザー、グース・ゴッセージの言葉をここで紹介し、皆さんと共有したいと思ったからです。私たちはプレッシャーのかかる状況でのピッチングと心理的にどうやってよい状態に保つかを考えています。彼は自分のキャリアの中でまさにその先生です。彼は私を見てこういいました。「凍った雪玉理論を覚えておくといいよ」。グースによると、今から2000年以内に地球は凍った雪玉として宇宙に」放り出される。そして私たちがどんなピッチングをしてもヤジられることはない。私はとても気に入りました。それからは、私はいつも「ソフトボールはただのゲーム。そんなに入れ込むのはやめよう」と言い聞かせています。(いつも利くとはかぎりませんが・・・心の中で言い聞かせています!)
あなたもこれを言い聞かせてみてはどうでしょう。一生懸命練習して、ベストをつくして、それから少し「凍った雪玉理論」を思い出してみては?ソフトボールが楽しくなるはずです。覚えておけば自由にプレーすることができ、そして勝つことができるでしょう。
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